あなたは、他人にプレゼントをもらい、何も返さないのは気まずい…という思いをしたことはありませんか?
その感情…すでに返報性が効いています。
プレゼントをもらって「なんだか悪いな…」という感情をもった時点で返報性は成立してしまいます。
では、その返報性がどのようにビジネスに役立つのかご紹介していきましょう。
返報性の原理とは
ウィキペディアで返報性と検索すると…
人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。この「返報性の原理」を利用し、小さな貸しで大きな見返りを得る商業上の手法が広く利用されている。
至近な例では、試食がある。試食は本来は、無料で食品を提供し、その味を客が確かめ、購買に値すると判断した場合に買ってもらうプロモーション戦略のひとつであるが、客は店員から直接食品を手渡されることによって、その味いかんにかかわらず商品を買わなければいけないという気持ちになることが多い。
ウィキペディアより引用
この他にも、ロバート・チャルディーニ著の「影響力の武器」には、セミナー後にアンケートを書いてもらうよう頼んだ場合、事前にコカ・コーラを無料でプレゼントしていたお客様は、ほとんどがアンケートの回答を承諾したと記されています。
人は、何かの施しを受けてしまうと、その後の依頼に断りづらくなってしまうのです。
返報性の原理
ロバート・チャルディーニは、返報性には4つの種類があるといっています。
- 好意の返報性
- 悪意の返報性
- 譲歩の返報性
- 自己開示の返報性
好意の返報性
相手に褒められると、褒めてくれた人に対して好意を持つ。
自分も褒めてくれた人を褒め返すなどのお返しをしてしまう。
悪意の返報性
相手に悪口を言われたりすると、自分も相手の悪い部分を指摘してしまう。
譲歩の返報性
自分が譲歩すれば相手も譲歩してくれやすくなる。
たとえば、あなたが何かしらの商品をお客様に提示します。商品のパッケージは3種類あり、松竹梅の価格設定となっています。
当然、あなたは「松」をはじめにお客様にお薦めするが、一番高いパッケージはどうも手が出しづらい。
そこで、あなたは譲歩して、真ん中の竹のパッケージをお薦めすると、お客様も譲歩して竹のパッケージを購入する。といった具合に譲歩にも返報性があります。
自己開示の返報性
自分が先に心を開けば、相手も心を開いてくれます。
たとえば、紹介してもらったばかりの取引先の担当者と、はじめて顔を合わすときはギクシャクするものです。
そんなときに世間話から入り、自分のこれまでの人生における失敗などを先に話すことで、相手も同じように失敗談を話してくれ、打ち解けられるという返報性です。
これにより、信頼感も生まれるので、今後の取引先とのやり取りもしやすくなります。
返報性の原理をビジネスで使う方法
ビジネスにおいて昔からよく目にするのが「試食、試飲」です。
スーパーの地下にある食品売り場では、今も必ずといっていいほどに、試食や試飲が用意されています。
薦められて一度でも胃の中に入れてしまうと、なんだかその場からスッと立ち去るのが悪い気がしてきて、思わず購入してしまうのです。
その他にも、お試しサンプルなどで一度使ってもらい、断りづらくするという方法をとってる企業もあります。
返報性の原理をセールスレターで使うには
好意の返報性
好意の返報性をセールスレターで使うには、セールスレターの中で読み手を褒めてみるのもいいでしょう。
「勉強熱心なあなたのことですから、○○が○○ということは、すでにご存知でしょう。」という感じで褒めてみる。
自己開示の返報性
自己開示の返報性を使うなら、やはりストーリーの部分で、自分の過去の失敗や弱みをみせること。
譲歩の返報性
譲歩の返報性ならば、価格周りになるでしょう。
たとえば、「保証までつけているのだから、あなたにとってリスクはありませんよね?」とか。
「これだけ多くの特典が付いていながら、1万円は破格です。本来なら30万円の価値があるものですから。」など。
書き方は工夫していただきたいですが、「あなたのために、これだけしましたよ!」というのが伝われば譲歩の返報性になるでしょう。
まとめ
返報性の原理というのは、他人に何かしてもらうと、返さなければならないという思う心理です。
ジュース1本でも返報性は効果があります。
お客様に何か目的となる行動をとって欲しい場合は、まずはあなたからお客様に何かしてあげましょう。
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